サービスの二本柱・コアとフリンジ

サービスの二本柱

サービスの二本柱・コアとフリンジ

サービスの二本柱とは何か???

それは「コアサービス」と「フリンジサービス」です。

中心が一緒で、二つの大きさの違う丸を描いてみて、ゆで卵を縦に切った図をイメージしてください。(※図1)
◎の内側の○、卵の黄身の部分がコアサービスで対価の対象となるものです。

※図1

製造業でいうと商品そのもの、サービス業だとお客様に提供するサービスそのものがコアサービスです。
コア(核)というのは、コアサービスがその会社が提供する価値の本体だからです。
ですから、コアサービスはその商品・サービスの価格と連動しています。

一方フリンジサービスは、その提供方法などで、本体の価値を高め、お客様に満足以上の感激、あるいは感動を提供する手段となるのです。
ですから、双方ともそれぞれ重要な役割を持っているのです。

コアサービスは価格と連動しているため、一般的には当たり前の顧客満足までしか行きません。一方、フリンジサービスが優れているとお客様に喜びや感動を提供できる場合があります。また、せっかくコアサービスが優れているのに、フリンジサービスがダメだとお客さまに不満足を提供してしまう可能性もあります。

しかしながら、お客さまはコアサービスに対してお金を払うのであり、まずはコアサービスをきちっと提供できなければならないのは当然のことです。

何がコアサービスで、何がフリンジサービスかを考える時、注意すべき四つの原則があります。

一番わかりやすい一般的な物販のケースで考えると次のようになります。

価格が同じ品物であっても、高級品の場合にはフリンジサービスが厚く、汎用品の場合にはフリンジサービスが薄い。
従って、高級品の方がお客さまに喜びとか感動を与え、お客さまが贔屓客になって下さる可能性が高くなります。

皆さんの会社のコアサービスとフリンジサービスは何ですか?

それがお客様に提供している価値なのです。

何がコアで何がフリンジかは、確定した正解はありません。企業がフリンジサービスだと思っていても、顧客が価格の内であると考えたらそれはコアサービスです。 そして、何がコアで何がフリンジかは時代とともに変化します。

20世紀の工業経済社会においては、コアビジネスサービス・フリンジヒューマンサービスとも呼ばれ、主に販売する商品がコアで人による提供方法がフリンジだとされている時代もありました。しかしながら、サービス経済社会になった今日、この考え方は大きく変化しています。

例えば、アフターサービスでいうと法律に定められた保証期間内のサービスはコアサービスです。なぜなら、顧客は当然支払った価格の内であると考えているからです。一方、保証期間を過ぎたにもかかわらず、特別にしてくれたサービスはフリンジサービスです。

いろいろなビジネスモデルで考えてみると、意外とフリンジサービスが少ないことに気が付くかもしれません。
フリンジサービスの少ない代表格は、もちろん「百円ショップ」ですが、大企業でもフリンジサービスの層の薄い企業は沢山あります。
今回はフリンジサービスの少ない企業の例と、そしてフリンジサービスが少ないとどのようなことになるのかについて考えてみましょう。

大企業でも、家電メーカーはその製品のほとんどを家電量販店、電気店などに販売を委託しているため、顧客との接点が薄くフリンジサービスを創るのが難しい業種です。顧客との唯一の接点は、不具合が生じたときのコンタクトセンターなのです。
ですから、コンタクトセンターは家電メーカーにとって大変重要な部門です。

顧客との接点が少なくて、フリンジサービスの層が薄いということは、ファンも作りにくいのです。お客さまに対して、心に触れるようなサービスを提供し、贔屓客になってもらう機会が少ないからです。

例えば、家電メーカーであれば、1970年代或いは80年代のように提供しているコアサービス(技術力)が、圧倒的にすぐれていた時代は問題なかったのですが、競合である韓国メーカー、中国メーカーなどの技術力がアップし、同じような製品が作れる状況になった時、値引き競争に巻き込まれます。
提供しているコアサービスが月並みであり、フリンジサービスが薄いと価格と価値が直結しやすいので、値引き競争になるのです。

フリンジサービスの薄い企業は、競争になった時、苦しい状況に追い込まれます。
ただし、卓越した技術による製品・サービス、あるいは「百円ショップ」であってもとても面白い品揃えなど、他社の真似できない素晴らしいコアサービスによる価値を提供できれば、競合との差別化を図り、顧客の支持を得ることができます。

さて、ヒューマンサービスではないフリンジサービスの例としては、一番わかりやすいのがAmazonでしょう。
具体的には、Amazonで本を買うケースと、一般の書店で買うケースを比べてみましょう。

一般の書店に対するAmazonの強みは、書店に行かず夜中に自分の部屋でパソコンを操作することで、それほど時間をかけずに本が自宅に送られ、代金は銀行から自動引き落としされることです。
これは欲しい本が明確な顧客にはとても大きな利便性でAmazonの最大の強みであり、「ITが仕組みによるフリンジサービス」なのです。このために多くの書店さんが店を閉めざるをえなくなっています。

一方、一般の書店の強みは、現場で手に取って内容がわかることなので、一部の書店さんでは、この強みを活かし、スタッフの方の感想などのポップを作るなど別の意味での仕組みのフリンジ創りに努力しているお店もあります。

飲み物などの自動販売機も面白い例でしょう。
過去には自動販売機は、コアサービスのみの代表格でした。
笑顔もなければ挨拶もない、おまけに最後に飲み物をとるためにお辞儀までさせる…という冗談があったほどです。ところが最近は「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」というマシーンが出来て、テレビカメラで顧客の年齢などを判別し、おすすめ品を表示する販売機まであります。これも技術の進歩でマシーンそのものが仕組のフリンジとなった事例でしょう。

コアサービスとフリンジサービスを明確にする意味は、次のとおりです。

1.社員にとって…

コアサービスがお客様に提供する価値であり、会社が存在する意味なのです。
それが明確になると自分たちの仕事に誇りが持てるようになります。
そして、まず最優先で取り組まなければならないことはコアサービスの充実であることに気づくでしょう。
なぜならば、お客さまはコアサービスに対してお金を払って下っているのです。

2.会社にとって…

コアサービスが明確になると、顧客が明確になります。
顧客が明確になると、顧客の求めている価値が明確になります。

3.お客さまにとって…

会社がこうした取り組みを行うことは、結果としてお客に提供する価値の質を高めることとなります。

ここで重要なことは、出来れば現場の社員、アルバイト全員で自分たちが提供している価値としてのコアとフリンジを考えてみることです。
そして、出来上がった結果よりも、それを考えるプロセスがとても大切なのです。

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